アルタムーラ
イタリア語で高い壁の街(アルタ=高い ムーラ=壁)を意味するアルタムーラ(Altamura)は、プーリア州(プッリャ州)バーリ県 にある小都市。人口約7万人のコムーネです。バーリ県で最も広い約428平方キロメートルの面積を持つアルタムーラは、往時にはその名の通り高い壁に囲まれており、その高さは実に6メートルもあったとか。通常の戸建ての二階の高さが5メートルくらいなので、それよりも高い壁が町を守っていたという訳です。(この壁の一部が城壁の外周沿いのウンベルトI世通りで今も往時の姿で残っています。)
1232年、神聖ローマ皇帝のフェデリーコ2世(Federico II)の指示により大聖堂の建築が始められたアルタムーラの街は、皇帝の命により招聘されたギリシャ人やアラブ人などの様々な民族の技術者らの手により、作り上げられていきます。それぞれの技術者や家族らは、出身民族ごとに集まって住まいを作っていき、それはやがて「クラウストロ(Claustro)」と呼ばれる町並み・路地を形成していきました。「修道院の回廊」といったような意味を持つ、この迷路のような細い路地が入り組んだクラウストロは、そこかしこに袋小路が設けられており、敵が簡単に進入できないように、侵入してもそれ以上簡単に進めないようになっていました。また、それらは同時に隣り合った住居同士の共通の広場、中庭のような役目も担っていました。アルタムーラの街には、そんなクラウストロが今も80以上もあるといわれます。
南イタリアにいくつもの城や要塞を建てたフェデリーコ2世が、唯一建てた大聖堂というアルタムーラの大聖堂と、旧市街のクラウストロの町並みをご紹介します。