コムーネとは・・・

イタリア共和国トスカーナ州ルッカ県
トスカーナ州ルッカ県のコムーネの一つ「ルッカ」の町並み

コムーネ(comune)は、
イタリアの自治体の最小単位(基礎自治体)のこと。イタリア語で「comune」は「共同体」を意味する言葉です。イタリアでは日本のように人口で分けられる「市町村」のような区分けがなく、ローマ(人口2,617,175人)、ミラノ(人口1,242,123人)、ナポリ(人口962,003人)といった大きな地域からペデジーナ(人口30人)、モルテローネ(人口34人)、モンチェニージオ(人口42人)といったような小さな地域まで、大小様々なコムーネで成り立っています。2011年10月9日時点でのイタリアのコムーネの総数は8092(イタリア国立統計研究所の調査による)。便宜上、日本語ではローマやミラノのような巨大なコムーネを「都市」(例えばローマ市、ミラノ市等)、小さなコムーネを「村」と扱いますが、いずれもコムーネという意味では同じ分類になるというわけ。ちなみにコムーネの上位に「県」があり、さらにその上に「州」があります。

長きにわたり、様々な民族、様々な勢力が入り乱れ、国や都市の境界が変化してきたヨーロッパにあって、イタリアの街もローマ都市を起源にしながらも、様々な要因で地図が変化してきた歴史を持っています。日本では幕府があり、藩(大名)があって、さらに大小様々な集落があり、明治維新以降、それらが元になって県ができ、市町村が出来上がり、さらに統廃合の結果、現在のようなシステムになっていますが、イタリアでも長い歴史の中で必然的に出来上がってきた、(日本とはまた異なる)システムで区分けされ、一つの国が成り立っているという訳です。(イタリアのコムーネに良く似たシステムはフランスやスイスでも見られます。)

コムーネのトップはシンダコ(sindaco)と呼ばれますが、こちらも日本語では便宜上、「市長」や「町長」などと訳されます。